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【2022年9月9日公開決定】ネタバレなしであらすじを解説!川村元気「百花」書評

ネタバレなしであらすじを解説!川村元気「百花」書評Book

今回も、この秋に公開予定の映画の原作本を紹介します

百花 / 川村 元気

こちらの小説は、2019年に文藝春秋より出版されました、川村元気 著「百花」です。

元々この川村元気さんは「告白」「悪人」「モテキ」「君の名は。」「天気の子」などの映画プロデューサーをされている方なんですが、そのほかにも小説や脚本や映画監督などもされていて、マルチに活躍されている方です。

著書は「世界に猫が消えたなら」「億男」「四月になれば彼女は」「神曲」などがあります。

この記事を読んで分かること
  • 2022年9月9日公開予定の映画「百花」の概要
  • 「百花」のあらすじ、本を読んだ感想
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2022年9月9日 公開決定!菅田将暉、原田美枝子のダブル主演

こちらの小説は今年の秋に映画として公開予定です

映画『百花』公式サイト
2023年2月15日(水)Blu-ray&DVD発売!そして、愛が残る。母が記憶を失うたびに、僕は思い出を取り戻していく。
  • 出演:菅田将暉、原田美枝子、長澤まさみ、永瀬正敏
  • 原作・脚本・監督:川村元気

主人公の葛西泉役に菅田将暉、そして泉の母親、百合子役に原田美枝子が出演しています。

そして葛西泉の妻・葛西香織役として長澤まさみ、また百合子の過去の恋人・浅葉洋平役に永瀬正敏が出演と豪華な顔ぶれとなっています。

また原作の川村元気が自ら映画の脚本・監督を務めています。

またツイッターで映画「百花」の公式アカウントも公開されています。

本の著者自らが映画の監督・脚本を務めており、出演者も豪華な顔ぶれということで、今から映画の公開が楽しみですね

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「百花」のあらすじ

川村元気「百花」の表紙とパソコン

今回もネタバレにならないように、冒頭のあらすじのみ書きますね

物語の主人公「葛西泉」は、あるレコード会社に勤務する30代後半のサラリーマンです。

彼は母子家庭で育ち、現在は出産を控えた妻と2人で暮らしています。

彼には「百合子」というピアノ教室の先生をしている母親がいて一人で暮らしていますが、泉の仕事が忙しくなかなか会えずにいました。

そしてある年末、泉が実家に帰省すると母の様子がおかしいことに気がつきます。

いつもキレイな台所が汚れている、母が一人で公園のブランコでぼーっとしている。

最初は何気ない違和感でしたが、母親は次第に物忘れが酷くなったり、ふらっとどこかに居なくなったりとだんだん行動がおかしくなってきます。

念の為検査しようと母親を病院に連れていくと「アルツハイマー」と診断されます。

まさか自分の母親がという受け入れ難い現実。

その後、母親一人では暮らせないためホームヘルパーを雇いつつ、介護施設の空きを待つという状態が続きます。

ただそれ以降も母の病状はだんだん悪化していきます。

そして運よく施設の空きが出たため、百合子は施設に入居できることになります。

入居後、泉は母親がいなくなった家を掃除するために実家を訪れますが、掃除中にふとある日記を見つけます。

それは、1994年から1995年にかけて母親が書いていた日記でした。

その1994年からの1年間は泉にとって苦い思い出がありました。

1年もの間、母は家を飛び出して行方不明になっていました。

そして百合子の空白の1年間に起こった出来事がその日記に書いてありました。

それは泉の知らない母親の記憶でした。

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「百花」を読んだ感想

老人と娘がベンチに座る画像

この物語は、母親がアルツハイマーの兆候が現れるところから物語が始まります。

そして段々と記憶をなくしていく母親の様子が描かれていきます。

親子2人で生きてきた記憶を一つづつ無くしていく母親。

そしてその母親と、子供が生まれて今度は自分が親になるという不安の間で感情が揺れ動く泉。

時間は元には戻りません。

その中でとにかく息子の記憶を繋ぎ止めようとする母の百合子。

「はんぶんの花火が見たい」

作中でしばしば百合子が言うセリフです。

この半分の花火とは一体なんなのか、そしてその半分の花火の答えがわかった時に、泉は母との記憶を見ます。

そっかそう言うことか

「あなたはきっと忘れるわ」

ごめん母さん、記憶をなくしても母さんはちゃんと覚えていてくれてたんだね

忘れてたのは俺だったよ。

そして、親子にとって空白の1年間

その1年間の出来事が母の日記に書かれています。

人の人生は記憶の積み重ね

そして大事な記憶もいつかは忘れてしまう。

だけど本当に大切な記憶は、自分がどんな姿になっても、ましてや病気になっても覚えているものだったりします。

アルツハイマーになって、記憶をなくした母親が最後まで捨てなかった記憶

息子との大事な記憶

その記憶を最後に共有できて本当に良かったなって思いました。