今年の冬に公開予定の映画の原作本を紹介します!
月の満ち欠け / 佐藤 正午
今回は、2017年に出版されました佐藤正午 著「月の満ち欠け」という小説を紹介します。
こちらの本は第157回直木賞を受賞した作品です。
著者は佐藤正午で、著書は他に「永遠の1/2」「鳩の撃退法」「5」「身の上話」「アンダーリポート/ブルー」「小説家の四季」「小説の読み書き」などがあります。
- 2022年冬に公開予定の映画「月の満ち欠け」の概要
- 「月の満ち欠け」のあらすじ、本を読んだ感想
2022年冬 公開決定!出演は大泉洋、有村架純、柴咲コウ、目黒蓮
今回紹介する「月の満ち欠け」ですが、今年の冬に映画が公開される予定です。
- 出演:大泉洋、有村架純、目黒蓮(SnowMan)、柴咲コウ
- 原作:佐藤正午
- 監督:廣木隆一
- 脚本:橋本裕志
出演者は、主人公の小山内堅役に大泉洋、そして堅の妻である小山内梢役に柴咲コウ、そして物語の始まりで最初の瑠璃である正木瑠璃役に有村架純、そして瑠璃が愛した男性の三角哲彦役にSnowManの顔面担当めめこと目黒蓮が決定しています。
また映画監督は「ヴァイブレータ」「余命1ヶ月の花嫁」など、恋愛映画を多く手がけている廣木隆一が務めます。
そして脚本はテレビドラマやアニメ、映画など幅広く活躍する橋本裕志が担当します。
またツイッターで映画「月の満ち欠け」の公式アカウントも公開されています。
有村さんかわいいし目黒さんめっちゃイケメンだし、その他出演する方も素敵な方ばかりなので今から映画が楽しみです
「月の満ち欠け」のあらすじ
これから映画を見る方や本を読まれる方のために、ネタバレなしで冒頭のストーリーだけお伝えしますね
物語は、東京駅の近くにあるホテルの喫茶店での待ち合わせから始まります。
主人公の名前は「小山内堅」
彼は喫茶店である親子と待ち合わせをしています。
その親子は、母親は有名な女優、子供は小さな女の子で小柄な7歳の小学生。
少女の名前は「緑坂るり」といいます。
小山内はこの緑坂るりに会いにわざわざ八戸から東京までやって来ました。
そして緑坂るりですが、7歳にしては他の少女と比べて少し変わっている点があります。
まず言動が7歳とは思えないほど大人びています。
そして何故か初対面の小山内に対し、「コーヒーはブラックを飲んでたよね」とか「昔3人でどら焼き食べたよね」など、あたかも以前から知っているような言い方をします。
そしてこの小山内にも、かつて妻と娘がいました。
娘の名前は「小山内瑠璃」
実は15年前に小山内の妻と娘は交通事故でこの世を去っています。
そして知り合いからの噂で、もしかしたら「緑坂るり」は「小山内瑠璃」と何か関係があるんじゃないかと、その確認のために小山内はこの親子に会いに来ました。
そして、この喫茶店にはもう一人の人物が来るのを待っています。
その人物の名前は「三角哲彦」
大手企業の部長職を勤める中年の男性です。
そして緑坂るりは、小山内ではなく三角に会うためにここにやって来ました。
そして三角哲彦もかつて「三木瑠璃」という女性とお付き合いしていました。
その三木瑠璃も不慮の事故で亡くなっています。
7歳の少女である緑坂るりは、一体なんのために三角哲彦と会うのでしょうか。
そして「三木瑠璃」「小山内瑠璃」そして「緑坂るり」という3人の同じ「るり」という名前を持つ女性たち。
この3人の女性は一体どういった繋がりがあるのでしょうか。
「月の満ち欠け」を読んだ感想
この本のタイトルである「月の満ち欠け」とはいったい何だろうなって思っていたんですが、それは文中に答えがありました。
神様はこの世に生まれた最初の男女に2種類のしに方を選ばせました。
一つは樹木のようにしんで種子を残す、自分はしんでも子孫を残す道。
もう一つは月のようにしんでも何回も生まれ変わる道。
でも、もし私に選択権があるなら、月のようにしぬ方を選ぶよ。
月が満ちて欠けるように。
「月の満ち欠け」/佐藤正午
ある女性が恋をしました。
ですが、その女性が運悪く亡くなってしまった。
その時に、もしこの女性が月のようにしぬ方を選んだ場合、彼女の想いは世代を超えて人を超えてその人の元に届くのだろうか。
輪廻転生といえばそれまでかも知れませんが、この物語には長い時間や人を超えてようやく再会できた喜びや達成感といったものが感じられました。
それと同時に、もしかしたら大事な人が姿を変えてずっとそばにいるかもしれない。
だけど自分たちが気づいてないだけかもしれない。
もしあなたの大切な人が姿を変えてあなたの前に現れたら、あなたは気づくだろうか。
案外気づかないかもしれない、大切な人はずっとそばにいるのに。
そういった寂しさも同時に感じられて、読み終わった後は何ともいえない寂しい気分にもなりました。
前世からの記憶、そして恋人との約束
それらは「るり」という女性を介して時空を超えて恋人の元に届くのでしょうか。
その辺りがこの本の面白いところで1番の見どころだと思いました。
あとこの物語には登場人物がたくさん出てきますが、それぞれ大事な関係があってそれらが複雑に絡み合った糸のように繋がっています。
誰一人欠けてもダメなのですが、一人一人を覚えるのも結構大変だったりするので、小説を読むときは登場人物の相関図を書いて、誰が誰のこういう関係でというのを書いてみるのが良いと思います。
じゃないと読んでて迷子になると思いますので。