公開が予定されている映画の原作本を紹介しますね
アキラとあきら / 池井戸潤
今回は、2017年に出版されました池井戸潤 著「アキラとあきら」という小説を紹介します。
著者は直木賞作家で、半沢直樹シリーズの原作でも有名な「池井戸潤」です。
著書は半沢直樹シリーズ「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」や直木賞を取った「下町ロケット」、その他は「空飛ぶタイヤ」「ルースベルト・ゲーム」「民王」「ようこそわが家へ」などがあります。
- 2022年8月26日公開予定の映画「アキラとあきら」の概要
- 「アキラとあきら」のあらすじ、本を読んだ感想
2022年8月26日 公開決定!竹内涼真、横浜流星のダブル主演
「アキラとあきら」ですが今年の8月26日に映画が公開される予定です。
- 出演:竹内涼真、横浜流星、上白石萌歌、江口洋介、奥田瑛二、満島真之介、石丸幹二、ユースケ・サンタマリア、児嶋一哉、高橋海斗(King & Prince)
- 原作:池井戸潤
- 監督:三木孝浩
主人公の2人のアキラですが、山崎瑛役に竹内涼真、そして階堂彬役に横浜流星が決定しています。
そしてその他の俳優陣も、上白石萌歌、江口洋介、奥田瑛二、満島真之介、石丸幹二、ユースケ・サンタマリア、児嶋一哉、高橋海斗(King & Prince)と豪華な顔ぶれとなっています。
また映画監督は「ソラニン」「フォルトナの瞳」などの映画を手がけた三木孝浩がメガホンを取ります。
またツイッターで映画「アキラとあきら」の公式アカウントも公開されています。
池井戸潤の原作の映画は内容も面白いですが、出演する俳優さんも個性的な方ばかりなので、今から映画が楽しみですね
「アキラとあきら」のあらすじ
これから映画を見る方の楽しみを奪ってしまうのもなんなので、ネタバレなしで冒頭のストーリーだけお伝えしますね
表題「アキラとあきら」の通り、この本には2人の「アキラ」が登場します。
一人のアキラは「山崎瑛」
彼は伊豆にある町工場の息子で、父と母、妹と犬のチビと一緒に暮らしていました。
ですが小学校の時に、父が経営する町工場が不当りを起こしてしまい、その工場が倒産してしまいます。
そして瑛の一家は、工場のあった伊豆から磐田にある叔父の家に引っ越すことになります。
半ば夜逃げ同然で磐田に移ってきた瑛の一家。
それから磐田での生活が始まりますが、父の再就職が決まったとはいえ、裕福な暮らしとはいえず細々と暮らしていました。
その後、高校まで磐田で過ごす瑛ですが、父の再就職先の会社も経営が傾いており、瑛自身は大学進学を希望するもお金がないため就職せざるを得ない状況となります。
ですが、そんな父の会社をなんとか立て直そうとする一人の銀行員がいました。
その銀行員は瑛の父とともに会社の再起案を練り上げ、銀行の融資を得るために最善を尽くします。
その甲斐あって、銀行からの融資を得て父の会社はなんとか立ち直ります。
そしてその後、その銀行員は瑛の父にこう告げます
「ぜひ、息子さんを大学に行かせてあげてください」
その銀行員はかつて大学に通っていましたが、父親の会社が倒産した影響で大学を辞め、高卒の資格で今の銀行に入行したという経緯がありました。
自分のような思いをさせたくない、その気持ちでなんとか会社を立て直そうとその銀行員は奮闘し会社の危機を救いました。
そしてもう一人のあきらは「階堂彬」
彼は大手海運会社である「東海郵船」の創業者の孫で、現社長を父に持ち、母と弟の4人家族で暮らしていました。
彼は小さい頃から秀才として名を馳せており、父の跡を継ぎ将来の東海郵船の社長を期待されていました。
ただ、彬自身は父の会社を継ぐことには興味がなく、一般企業への就職を希望していました。
そして就職活動のさなかに、父の会社のメインバンクである「産業中央銀行」の銀行員と父が東海郵船に対する融資の話をしているところに偶然居合わせます。
そこで、社長である父に臆することなく、会社の展望や未来を語る銀行員の姿に感銘を受けます。
そして、数ある就職先の中から、銀行員になることを選びます。
2人のアキラは人生の転換期に銀行員に出会い、その影響で銀行員を目指します。
そしてこの2人は奇しくも同じ「産業中央銀行」に同期として入社します。
全く境遇が異なる2人ですが、そこから銀行員としての人生がスタートします。
ですが、その「産業中央銀行」で様々な試練が待ち受けていました。
「アキラとあきら」を読んだ感想
本作品を文庫本で読んだのですが、700ページほどあり、2人の幼少期から始まり学生時代、就職活動、新入社員研修、配属後など、80年から90年代の時代の背景とともに詳細にストーリが描かれていました。
ですがボリュームの割に本の内容が面白く、気がついたらあっという間に読み終わってしまいました。
本作は前半の銀行員になる前の生い立ちや学生時代に関しては「山崎瑛」の話がメインとなりますが、後半の銀行員以降の話は「階堂彬」がメインになります。
そして物語の後半、「東海郵船」の社長で彬の父である「一磨」ですが、彼には2人の弟がいて、それぞれ東海郵船の子会社の社長を務めています。
なんですが、まあこの2人がいわば兄とは対照的にあまり商才がありません。
そして彬自身にも弟がいますが、兄とは異なりこの弟は父のあとを継ぐために「東海郵船」に入社します。
そしてこの弟も優秀な兄に対して、才力が伴っていませんでした。
作中では、優秀な兄とその才能に嫉妬して判断を謝る弟という構図で様々な難題が降りかかります。
それがバブル期に2人の叔父たち主導で始めたリゾートホテル開発。
このホテルが後々、大きな問題となって東海郵船グループ全体にのしかかります。
そしてそんな中、社長の一磨が癌におかされており、余命が残されていないことが判明します。
一磨なき後の東海郵船は一体どうなるのか、そして息子の彬は父の意思を受け継ぐのか。
そして2人のアキラはこの問題にどう立ち向かうのか。
その辺りのストーリー展開が非常に読み応えがありました。
ちなみに映画では、イケてない2人の叔父の配役はユースケ・サンタマリアさんと児嶋一哉さんとのことで、この2人のダメ経営者ぶりに期待です。
そして映画で、半沢直樹の大和田常務ばりにこの2人に土下座させるシーンがあれば面白いなと思いました。